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2010年6月 8日 (火)

部落差別考(後編―1)

東北・北海道には被差別部落が無いという事実は良く知られている。しかし、何故そうなっているのかを説明した人を私は未だ知らない。


東北・北海道も徳川幕府の支配を受けたにも拘わらず被差別部落が無いという事実は、部落差別が徳川幕府によって作られたとされる身分制度に起因するものではない事を明瞭に物語っている。幕府が東北・北海道にだけ被差別部落を設けない理由など何も無いからだ。


最近は身分制度という制度自体が実在したのかどうかも疑わしくなっているようだけど、例え実在したとしてもそれは徳川幕府によって新たに作られたというものでは無く、既に実態としてあったものを追認もしくは固定したに過ぎないと考えるべきだろう。


そう考えれば、東北・北海道に被差別部落が無いというのも、部落差別の起源がより古い時代にあり、差別が始まった時代の制約或いは差別の理由によって被差別部落が関東以西にしか無いのだと説明出来る。


一部の人達は「幕府に取って食料の確保は重要な事だったので、農民から年貢を厳しく取り立てる必要があった。そこで搾取される農民よりも更に下にエタという階層を設ける事で農民の不満を押え込もうとした」と言って来た。
しかし、全く何も無かった所に政策としてエタという階層が作られたとしたら、日本中が大変な混乱状態に陥った筈だが、そのような混乱を示す資料は無い。
そして先にも述べた通り、その場合に東北・北海道が除外される理由は無い。


一方、部落差別というのは日本独自のものでは無く、朝鮮半島にも白丁(ペクチョン)或いは屠漢(トハン)と呼ばれた被差別部落民が居た事が知られている。
【白丁は約10万人程度だったとの事だから200〜300万人と言われる日本の部落民よりははるかに少い。また白丁差別は今は無くなったという】


日本だけでなく朝鮮半島にも部落差別があったとなると、部落差別の起源を日本独自のものに求める事は出来ない。日本にも朝鮮にも共通する要素を考えなければならない。
そしてその場合差別の理由として一番自然に考えられるのが民族差別だろう。すなわち朝鮮半島や日本列島を制圧した人達による先住民への差別だ。

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コメント

二ヶ月も前の記事に申し訳ないです。
でもちょっと気になったので…。
部落差別の起源は仏教ではないでしょうか。
それと、九二七年の『延喜式』にはすでに「濫僧・屠者等、居住するを得ず」という差別的な文章が書かれています。

投稿: ミルクティー | 2010年7月31日 (土) 12時51分

ミルクティーさん、コメントありがとうございます。
部落差別の起源については色々な考え方が出されているのは承知しています。ただ民族差別以外の考え方では、何故東北地方に被差別部落が無いのかという問題をうまく説明出来ないように思うのですが。

投稿: ☆諒 | 2010年8月 3日 (火) 10時33分

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