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2012年8月26日 (日)

『みなみminami(南)』の語源について

方角を表す四つの名詞のうち『ひがし(東、古形ひむかし)』『にし(西)』『きた(北)』については語源が明らかになっているが、『みなみminami(南)』だけは語源が未詳であるとされている。


英語のsouthはsunが語源とされているので、多くの人が『みなみ』を太陽と結びつけようとしてうまく行かなかったようだ。


だがこれは発想をちょっと変えれば良いのではないか。


『きた』の語源が判っているのだから『みなみ』はその反対ではないかと考えてみた。


『きた』は『きたなし(穢し)』の語幹であり「不浄な方角」の意味とされている。
それならば『みなみ』は「神聖な方角」の意味ではないかと考えて分析してみると、まさにそのような意味が浮かび上がって来た。


初めの『み』は甲類なので、『みや(宮、神家)』『みこし(神輿)』『わたつみ(海神)』等の『み』すなわち「神」の意と考えられる。


後半の『なみ』は、現代では死語になっているが上代には使われていた動詞『なむ』の連用名詞形だと思う。


『なむ』には母音交替形『のむ』という語形もあり意味は同じで「祈る」こと。
この『のむ』の連用名詞形『のみ』が借用語彙としてアイヌ語に入り『カムイノミ』という複合語になって残っている。


従って『み』は神、『なみ』は祈ることで、『みなみ』は「神に祈ること」となるが、方角を表す語彙なのでこの場合は「神に祈りを捧げる方角」という意味だろう。

古代日本人が南を「神に祈りを捧げる方角」としていた事を太陽神信仰と結びつける人も居るかも知れないが、私は太陽神信仰とは繋がらないだろうと思う。


『みなみ』の『み』は神を意味するが、神を意味する『み』には蛇という意味もあり、南方系の蛇神信仰に繋がっていると思う。


『みなみ』を「神に祈りを捧げる方角」すなわち神聖な方角としたのは、蛇神信仰を日本に持ち込んだ人たちの故郷が南の方角だったからではないかと思う。

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